サントリー・マドンナ・ワイン
今日はわたしのＣＭマニアっぷりが分かってしまう話です。
そうです。わたしはＣＭが大好き。『広告批評』も大好き。
トウキョウに来て、がっかりしたことのひとつに、
「ローカルＣＭが少ないこと」というのがあったくらいです。
(「桐灰貼るホッカイロ」のＣＭがオンエアされてないと知って、
あの芸術作品をオンエアしないとはどういう了見だと思った)
わたしは、ＣＭだけを観て一日中過ごすこともできます。
小説でも、映画でも、テレビ映像でも、短いものが好きです。
だから、毎週ドラマを観たりするのはできません。
テレビを見るときは、ナショナル・ジオグラフィーみたいな番組以外は、
ＣＭとか、ニュースフラッシュなどの短いのばかり観ています。
たぶん、わたしは「人生というものは連続するものではなくて断片的なものだ」
と思っているのが関係しているのかもしれません。
冗談です。関係していないと思います。ふざけました。
もし「一番好きなＣＭは何ですか？」と聞かれたら、
わたしは迷うことなく「サントリー・マドンナ・ワインのＣＭです」
と答えると思います。
随分昔のＣＭで、記憶が曖昧になっていたので、
今日、インターネットで大捜索してみました。
ちゃんとありました。ネットってすばらしい。。。
「サントリー・マドンナ・ワイン」は
1998年に西島秀俊とケリー・チャンが出演しており、
バックにドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」が流れているＣＭです。
場所はケリー・チャンが演じている女性のマンションの一室。
昼下がりにふたりはテーブルをはさんで白ワインを飲んでいます。
ケリー・チャン：「このワインが空いたら… やっぱりこの人帰っちゃうのかな」
西島秀俊：「このワインが空いたら… やっぱオレ帰んきゃいけないのかな」
心の中でつぶやくふたり。
ナレーションが流れた後、ベランダで、ケリーが西島くんのほっぺにキスする。
テロップ：「ふたりをほどく ふたりをむすぶ」
恋が始まるときのもどかしさを表現したなんとも色っぽいＣＭなのです。
トビュッシー、西島秀俊、ケリーチャンって・・・
わたしの好きなものばかりで構成されているじゃないか。
このＣＭを観たとき
「うわわわわ。わたしもこういう恋がしたい」と思ったものでした。
うん…今でも、憧れているけれどさ。
サントリーホームページによると、このＣＭは1998年に放映されたとあるのですが、
わたしはこのＣＭによく似た映像を15年くらい前にどこかで観た記憶があります。
だから、この「サントリーマドンナ」ＣＭはもしかしたら、
そのＣＭか映像のリバイバルかオマージュなんじゃないかなぁ…と思っています。
子どもの頃、わたしは、いつの間にか誰かとなんとなく心を通じ合わせて、
なにか特別な言葉(つまり告白とかね)を交わすことなく
その人と一緒に居ることになるのだろうと漠然と思っていました。
でも、やっぱり、それは少女マンガじみた憧れだったのでしょう。
人の心は分からないものだし、それ以上に、わたしはわたしの心がわかりません。
長い時間を過ごすということはそれだけ複雑で濁りなんかも見えてくるものです。
この「マドンナ」のＣＭは清冽で、切なくて、そして断片的です。
日常の暮らしの中のある一瞬が、ふと、こんなふうに綺麗に見えたのなら、
きっと、そういうのを「永遠なる刹那」というのだと思います。
あああ。わたしって、そうとう恥ずかしいことを書いているぞ。
再び、閑話休題
最近、西島くんはほんとによくテレビとか映画に出ていますね。
(「あすなろ白書」で知って以来、ずっと、西島くんと呼んでいるのよ
わたしったら、何様なんでしょう？でもいいの。好きだから。)
彼は、相変わらずエキセントリックな役で出ていますね。
だけど、西島くんもだいぶ歳をとってしまったと思う。
この「マドンナ」の西島秀俊は正統派なので、
どちらかといえば、トヨタ・ビッツのＣＭの雰囲気に似ているけれど、
「マドンナ」の西島秀俊はどの西島秀俊よりもかっこいいと思うのです。
ゼクシィの加藤ローサがどの加藤ローサよりもかわいいのと同じ感じ。
でも、西島秀俊ってほんとうにエロい役をやるよなぁ。
スピッツの『ＣＹＣＬＥ ＨＩＴ』のＣＭに起用されたのも
あのエロさが原因しているのではないだろうか。。。
なんとなく、あのエロさは草野マサムネのエロさと似ている気がする…。
ああ。また西島秀俊主演の『dolls』が観たくなりました。
というわけで、マニアックな話をし続けました。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございます。
インターネット大捜索の結果
「サントリー・マドンナ・ワイン」のＣＭ映像を見つけることができました。
８年ぶりの再会。感激です。
もし、見たい方がいらっしゃいましたら、ご一報ください。
ほんとうに素敵なＣＭですよ。
