UFOには愛がある
大阪方面から実家へと向かう新幹線の道中は、わたしの心を切なくさせる。
いろんな思い出があふれてとまらないのだ。
だけど、そんな感傷をものすごい勢いで吹っ飛ばす、いつも目に入るものがあった。
それは…ピンク色のライトで輝く「UFOには愛がある」という文句のあやしげな看板。
力をこめて言える。「ぜったい/あれは/変だ」
今日は霧雨けぶるなかよちよち散歩して、偶然近くに寄ったからじっくりと見てみた。
ずっと、ラブホテルの看板だと思っていたんだけど…どうやらそうではなく、
「ラエリアン・ムーブメント」といういわゆる新興宗教の看板だった。
積年のなぞが解けてしまったなあ…とぼんやり考えながら、
ラエリアン・ムーブメントについてwikiで調べてみる。
かんたんに説明すると、宇宙人が科学技術によってこの地球を創造したという創世譚を前提に、
その創造主で、ときどきUFOにのってやってくる異星人(エロヒム)の言葉を普及させる団体らしい。
そして、日本にその会員が6000人ぐらいいるんだそうな。
へー。苦し紛れにいうなら、アンチ・ダーウィニズムという点では、わたしの専攻と共通点があるんかな?
ただ、わたしは、この夢見がちな団体をばかにはできない。
(というか…厳密に言えば、団体はなにをやっているのかわからないので、さておき、
むしろその創世譚それ自体をばかにできないということね。)
なぜなら、SETI@homeを本気でやりたいと思っていたことのある私設天文部員だから。
SETI@home は(Search for Extra-Terrestrial Intelligence)の略なのですが、
これまたかんたんに説明すると、文明をもつ地球外知的生命体がいるとしたら、もしかしたら
地球に対してメッセージを送っているかもしれないから、
みんなのPCを使ってキャッチしましょうよという研究プロジェクトのこと。
プエルトリコのアレシボ展望台が収集した電波情報のデータ解析なのですね。
SETIはたくさんの大学研究室で行われているもので、乱暴な言い方をすれば、
いわゆる「学問的」で「科学的」な手法によって、宇宙人とのコンタクトをやっているわけです。
だいたいにして、かの有名なオズマ計画自体ものすごく胡散臭いけど、「科学的」なのだし。
そういうのも天文学者といわれる知識人が真剣な顔してやっているんだものね。
科学技術によって宇宙人とコンタクトしようとする天文学者と、
いわゆるミラクルによって宇宙人とコンタクトしたことを信じる人と、
それから、自力で金星にいったことのあるファースト・レディは、
…なんだか嫌いになれないなあ(最後のファースト・レディはとくに好きだな)。
とか、考えていたら犬のうんこを踏んでしまった。そんな一日。