かなしばり

きのう、かなしばりにあった。
わたしのかなしばりは、幻覚とか幻聴とか見えたり聞こえたりするの。
血だらけの女の子が胃の上でトランポリンをしたり、
男の人が背中に足の裏をつけてわたしに変な呪いをかけたり、
次の日になれば、かなり、笑えるんだけど、かなしばり当時は本気で怖い。


でも、いちばん不思議なのは、なぜか、かなしばりにあうと、
わたしには死に別れた「妹」が居ることになっているということだ。
実際は、わたしに妹なんていないのだけど。
わたしはかなしばりにあいながら「妹」のことを思っている。
ひとめでいいから会いたかったと、泣いていたりする。
それで、わたしの目には見えないんだけど、
たぶん、彼女がかなしばりからわたしを解放してくれているようなのだ。
次の日、ほんのり、思う。「妹」に会いたいなぁって。


わたしがかなしばりにあうときは、
精神的にも体力的にも追いつめられているときなので、
霊体験でないのは重々承知だ。
昨日は、かなしばり中「せっかく幻覚が見られるんだから」なんて思って、
とっても会いたい人が居たので、その人の名前をずっと呼んでみた。
でも、でてこなかった。残念。
どうやらわたしのかなしばりはそこまで便利ではないらしい。
そのかわり、でてきたのは、怖い男の人だった。
すごく怖い声で何か言っていたけれど、分からなかった。あれは怖かった。
「妹」は、そんなわたしを見てあきれていたかもしれないね。


こういうことを書くと、ぜったい、変な人だと思われるんだろうな。
もしかしたら、頭が狂っていると言われるのかな。
まあ、仕方ないけれど。
ちょっと、休もう。誰がなんと言おうとも、ちょっと、休もう。
わたしは精神的にも体力的にも無理がきかないのだから。