逃げ出したり

千葉県のストーカー事件の犯人が沖縄へ逃亡していたとき、
わたしは、38.0度の熱を出して、那覇市西町のホテルの一室でげーげー吐いていた。
体調不良はちっともロマンチックではないと思う。
肺病の音をホトトギスの声に似ているなんて言えるのはすごいと思う。
少なくとも、わたしにとって、吐き気と嘔吐はあまり文学的なものではない。


夜更けにアイスクリームが食べたくなってコンビニに行ったら、
おまわりさんが、男の人の写真を店員さんに見せていて、
「見つけたらご一報ください」とかいった後、マイセンを買っていた。
なーんかかーっこいい。ってわたしはへろへろの頭で考えていたんだけれど、
今思えば、あれは千葉ストーカー事件の犯人探しだったのかもしれない。…かも。


しかしだね、相変わらずぼくらの世代というのは、
「少年A」から「切れる17歳」を経てもまっとうになれんねぇ。
上の世代ほどのパワフルさもなく、下の世代ほどそつなくつくろうこともできない。
ちなみにわたしは、繊細でめんどくさい、ぼくらの世代を卒業したいと思っている。
ちょっとばかし寒い風にさらされて、赤くなってしまった柔肌を
恥ずかしげもなく他人にさらして、
ぼくは傷ついているといってはばからないこの世代から卒業したいと思っている。


ヒートアップした頭と身体のせいで、心もぽっきり折れまして、現在、わたしは逃亡中です。
逃亡先でおすもうさんとすれ違ったらいいにおいがした。
おすもうさんって、キュート。